
具体的な操作手順や業務の流れをわかりやすく説明するマニュアルを執筆するには、5W1Hを意識することが不可欠です。
「5W1H」とは、「Who(だれ)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「How(どのように)」のことです。
ただ、5W1Hを意識するといっても、具体的にどう執筆したらよいのか、イメージがわきにくい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、5W1Hを意識した執筆のポイントをご紹介いたします。
わかりやすいマニュアルを書きたい!という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ポイントは、以下の3つです。
- 「Who(だれ)」で対象読者をイメージしよう。
- 「What(なにを)」「Why(なぜ)」は途中で変わらないようにしよう。
- 「When(いつ)」「Where(どこで)」「How(どのように)」は正確にしよう。
「Who(だれ)」で対象読者をイメージしよう。
マニュアル執筆における5W1Hの「Who(だれ)」は、マニュアルを読む対象読者のことです。
一口にマニュアルといっても、ある程度知識がある方が読む場合もあれば、まったく知識のない初心者の方が読む場合もあるでしょう。
マニュアル執筆の際には、対象読者にあわせて記載の内容を設定することが重要です。
例えば、ある操作・業務について、全体のフローや背景知識を省いて記載してしまうと、初心者の方にとってはわかりにくいマニュアルになってしまいます。逆に、ベテランの方が参照するマニュアルに初心者向けの情報をつらつらと記載してしまうと、結局個人のカンに頼りマニュアルは読まない、という事態になってしまう可能性もあります。
書き手が盛り込もうと思っている情報と、読み手が必要としている情報がずれてしまうことはよくあります。
こうしたことを避けるためにも、5W1Hの「Who(だれ)」で、誰にむけてマニュアルを書いているのか、イメージしておくようにしましょう。
「What(なにを)」「Why(なぜ)」は途中で変わらないようにしよう。
マニュアル執筆における5W1Hの「What(なにを)」と「Why(なぜ)」は、マニュアルで説明したい内容や、その内容を説明する目的のことです。製品の設置手順、メンテナンスの方法、トラブルシューティングの一覧など色々とありますが、マニュアルや作業手順書といったものには必ず目的があり、その目的に応じて説明する内容が決まります。
これらが文章の途中で変わってしまうと、読んでいるうちに何を述べたいのか明確でないマニュアルになってしまいます。
例えば、初心者向けにソフトウェアの操作手順を記載していたのに、途中から知識がある人向けの詳細な特長・機能が羅列されているマニュアルができあがる、といったケースがあります。
この原因としては、書き手の頭の中で説明対象が途中ですり替わってしまったり、書いているうちに「あれも、これも伝えたい」となってしまったりしまうことが挙げられます。
これは複数人で分担してマニュアルを執筆した場合にもよく起きます。予め「What(なにを)」、「Why(なぜ)」執筆するのか、という点をすり合わせなかったことにより、担当者によって目的としているものに相違があるためです。
説明したい内容や目的が混在している文章は、例外なくわかりづらい文章になってしまいますので、「What(なにを)」と「Why(なぜ)」は途中で変わらないようにしておきましょう。
「When(いつ)」「Where(どこで)」「How(どのように)」は正確にしよう。
マニュアル執筆における5W1Hの「When(いつ)」「Where(どこで)」「How(どのように)」は、説明するときに盛り込むべき要素のことです。
気を付けないといけないことは、この要素をいれるときに、個人の主観で判断されるようなあいまいな表現を使わないことです。
例えば、「タッチパネルで部品データをしっかりと移動します」という表現だと、実際に作業した人は「しっかりってどれくらい?」と気になってしまいますよね。
マニュアルは読み手に正しく内容を理解してもらい、属人的な作業におちいることがないようにするために作成されます。「しっかりと」といった主観的な表現をつかわずに、「タッチパネルで部品データを6ピッチ分右へ移動します」など、客観的な数値を使った誤解されない表現にするといった工夫が必要でしょう。
誰にでもわかる表現になるように「When(いつ)」「Where(どこで)」「How(どのように)」を正確に表現しましょう。
おわりに
5W1Hを意識するときのポイントは、
- 「Who(だれ)」で対象読者をイメージしよう。
- 「What(なにを)」「Why(なぜ)」は途中で変わらないようにしよう。
- 「When(いつ)」「Where(どこで)」「How(どのように)」は正確にしよう。
でした。
これらのポイントを意識して、読んでいる人が操作手順や業務内容を混乱せず理解できるような、わかりやすいマニュアルを目指しましょう。
とはいっても、「5W1Hを意識したが、自分の書いた文章がわかりやすいか心配。」「限られた時間のなかでここまで丁寧にマニュアルを執筆するのは難しい。」と思うかもしれません。
そのような場合には、マニュアル制作の専門会社に問い合わせして、文章を確認してもらったり、マニュアル制作の外注化を検討したりしてもよいでしょう。
この記事を書いた人
編集部