見やすいマニュアル作成のコツ11選|レイアウトやテキストの工夫を解説

マニュアルは、業務を円滑に進めるための手引き書です。
マニュアルがあることで、作業者はスムーズ、かつ、誰でも同じように業務に取り掛かることができます。
また、指導者も教える手間を省くことができ、自分の業務に集中する時間が持てるメリットがあります。

そのためマニュアルは「誰が見ても容易に理解できる」「習熟度に左右されない仕事ができる」ものでなくてはなりません。

ここでは、見やすいマニュアル作成のコツを解説します。
作業者、指導者両者にとって、業務をスムーズに進めることができるマニュアルを目指しましょう!

見やすいマニュアルにするための3つのポイント

見やすいマニュアルには、共通している要素が3つあります。

  • レイアウトが工夫されている
  • 写真やイラストなどを使っていて、視覚的にイメージしやすい
  • 要点が整理されていて理解しやすい

上記の3つすべてが揃うことで、見やすいマニュアルになります。
逆に、上記の要素が1つでも欠けていると「なんだか読みづらいな」と感じる原因に。

マニュアルは、写真やイラスト、図などのいわゆる「画像」と、説明文などの「文字」からできています。

画像と文字の配置を「レイアウト」、文字の字体(フォント)や大きさ、内容についてを「テキスト」と分けて考えると、見やすいマニュアル作成のコツがつかめてきます。

では、次に、見やすいマニュアルにするための工夫を「レイアウト」と「テキスト」に分けてご紹介します。

見やすいマニュアルにするためのレイアウトの工夫6選

レイアウトとは文字や画像の配列や配置のことで、レイアウトが揃っていると、情報が整理されていて読みやすくなります。

マニュアルが見やすくなるレイアウトの工夫6選をご紹介します。

工夫1. シンプルを心がける

マニュアルは「シンプル」が鉄則です。
「1ページ1メッセージ(1ページ1業務)」を目指しましょう。

マニュアルはパッと見て、欲しい情報がスッと頭に入ってくることが大切です。
情報量が多くごちゃごちゃしていると、必要な情報をすぐに取り出すことができません。

シンプルなマニュアルにするコツは、以下の3つです。

  1. マニュアルは、できる限りシンプルな見た目にする
  2. 無駄な装飾はしない
  3. マニュアルに使う色は2〜3色に絞る

図やイラスト、文字の色、強調線など、マニュアルは「ここがポイントだよ!」というメッセージを込める箇所が多くありますよね。

だからといって、1ページにたくさんポイントがあると大事なポイントが伝わりにくくなってしまいます。

カラフルな方が重要箇所を強調表示できる反面、「色が多い=情報量が多い」ため、ごちゃっとした印象に。
装飾も同様です。

マニュアルはできる限りシンプルにして、伝えたいメッセージが見てすぐに判別できるのが理想です。

工夫2. 統一感を持たせる

文字の並びや図の始まりの位置、余白、文字の大きさ、字体(フォント)、文字装飾などの体裁のことをフォーマットと言います。
フォーマットが整っていると、読み進めていっても読み手が違和感を覚えにくく、読みやすいマニュアルになります。

フォーマットで気をつけたいポイントは以下の3つです。

  • どのページも同じような見た目にする
  • 使うフォントを統一する
  • 文字装飾のルールを決めておく

(例)そこそこ重要な部分:太字
とても重要な部分:太字+下線 など

図やイラスト、強調したい文字などを使っていると、フォーマットは崩れがちになります。

工夫3. 階層構造にする

階層構造とは、大きな主題を示し、さらに詳しい説明をしていく、枝分かれしていく構造のことです。

マニュアルなどを作成する際には「大見出し>小見出し>内容」がよく使われます。
大見出しなどは聞きなれない言葉かもしれませんね。

たとえば、「カレーの作り方」を例にして考えてみましょう。
大見出しは「カレーの作り方」です。
そこから派生する「材料」や「用意する道具」「料理の手順」などが小見出しに当たります。

大見出しと小見出しは複数あってもよく、その場合は「1.大見出し」「1.小見出し」「2.小見出し」のようにナンバリングをすると効果的です。

「カレーの作り方」を例に示すと以下のようになります。

<例>

1.大見出し(カレーの作り方)

1.小見出し(材料、用意する道具)
 〜〜〜〜〜〜
2.小見出し(料理の手順)
 〜〜〜〜〜〜

大見出しや小見出しを使い、さらにナンバリングを使うことで、今読んでいる“現在地”が把握しやすくなります。
現在地が分かるということは「次に何をすればいいのか」も明確になるため、体系立てて考えることができるようになります。

工夫4. 上下左右を揃える

テキストや写真、イラストは「揃える」ことを意識しましょう。
上下左右が揃っていると、見やすいと感じます。

レイアウトが揃っていて見やすいと感じるポイントは以下の3つです。

  1. テキストの「右揃え」「左揃え」「中央揃え」を統一する
  2. テキストの頭は上下で揃える
  3. 写真やイラストなどのサイズもできる限り統一して、上下左右の配置も揃える

できれば、写真やイラスト内に使用するテキスト(文字)についても同様にし、マニュアル全体で統一感が出るようにします。

工夫5. 余白を多めに使う

読みやすくするために、1文1義を意識しながら余白を効果的に使いましょう。
文字が1文ぎゅうぎゅうに詰まったマニュアルは非常に読みづらく、読む前から苦手意識を生じさせてしまうおそれもあります。

余白をつくるコツは「改行」や「改ページ」を多めに使うこと。

難しく感じるかもしれませんが、基本的には説明文は一、二文ごとに改行すればOK。
また、一文が長くならないように気をつけるのもポイントです。
改行を入れることで自然と余白が生まれ、内容のまとまりごとにブロックができていきます。

見やすいマニュアルにするためのテキスト部分の工夫5選

見やすいマニュアルはテキスト(文字)も工夫が必要です。
おさえておきたいテキストの工夫5選をご紹介します。

工夫1. フォントにこだわる

マニュアルは「見やすさ」が命。
フォントは視認性が高いものを使いましょう。

おすすめのフォントのポイントは3つ。

  1. 定番の「ゴシック体」や「明朝体」
  2. 1文のフォントの大きさはできるだけ揃える
  3. フォントサイズは10ポイント以上にする

私たちが普段よく見ているテキストはゴシック体や明朝体で書かれていることが多いです。
特に目立たせたい場合を除き、ポップ体などの特殊なフォントは基本的に使わないようにします。

マニュアル作成時にコピー&ペーストを使っていると、異なるフォントや大きさが違う文字が混じっていることはよくあるので、気をつけましょう。

フォントサイズは小さすぎると読みにくいので、10ポイント以上がおすすめ。
紙に出力して使用する場合は、一度プリントアウトしてみると大きさが分かりやすいです。

工夫2. 一文は短くする

説明の文章はできる限り、一文一文を短くすることを心がけましょう。
一文が長いと読み手は内容を理解しにくくなり、文字がギュッと詰まることで、読む気も削がれるというデメリットがあります。

目安は一文につき40~60文字です。
ただ、文字数をいちいちカウントするのは面倒ですよね。

その場合は、フォントサイズ10~11ポイントで、パソコン画面の端から端まで文字を書くと大体40文字と覚えておくと便利ですよ。(ちなみに、この一文で62字です)

工夫3. 重要な部分を強調する

テキスト部分で重要な箇所は、太字や赤字などで強調しましょう。
強調した箇所だけ読めば、概要をつかめることが望ましいです。

強調することで、読み手は、読むべき箇所の当たりがついて読みやすくなる効果もあります。

強調のテクニックとしては、太字や赤字のほか、注意して欲しい部分の背景色を変える、フォントを変える(ベースの文字は明朝体で、強調したい箇所はゴシック体など)といったものがあります。

工夫4. 文字だけで説明しようとしない

文字だけでマニュアルを作成するのはNGです。
視覚的に理解しやすいよう、図解やイラスト、写真などを入れましょう。
可能であれば、動画を入れるとさらに読み手に親切なマニュアルになります。

紙ベースで動画を入れるのが難しい場合、手順をひとつひとつ丁寧に図解するなどして、文字だけの説明にならないようにしましょう。

視覚的に見やすいだけでなく、写真やイラストが入ることで余白ができたり、一息ついて飽きずに読めたりする効果もあります。

工夫5. リストを上手に活用する

説明は文章を羅列するだけではなく、箇条書きやチェックリストなどを積極的に使いましょう。

箇条書きやチェックリストにすることでまとまりが生まれ、見やすさが向上します。

また、適度に改行と余白が生まれるため、ページ全体が見やすくなる点も活用したい理由の一つです。

誰が見ても理解できる見やすいマニュアルを作ろう

マニュアルは初めて作業に当たる人でも「読んだだけで理解でき、作業の品質も一定になる」ことが理想です。

作業内容を説明するだけですが、レイアウトやテキストの書き方、写真やイラストの入れ方など、工夫すべきポイントはたくさんあります。

マニュアルは、シンプルが一番。
個性を出す必要はないので、無駄な装飾や凝ったフォントは不要です。

少し気をつけるだけでグッと見やすいマニュアルになりますので、作成時の工夫をぜひ取り入れてみてください。

この記事を書いた人

編集部

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