製品マニュアルの作り方7ステップ|必須項目や作成時のポイントも紹介

マニュアルは、製品を取り扱う際に必要な、なくてはならない存在です。
マニュアルを取り入れることにより、手順の誤りを防ぎ、正しく製品を使用するなど、安全面に対しても多くのメリットがあります。
しかし、いざ製品マニュアルを作成しようとして、どのような部分に気を付けて取り組めば良いか、どこから作成すれば良いのかなどについて疑問に思いますよね。
今回は、これから製品マニュアルを作られる方に向けて、製品マニュアルにおける、載せるべき項目やおすすめの作り方、ポイントを簡単にご紹介します。
最後まで記事をお読みいただき、ぜひ製品マニュアルの作成にご参考ください。

製品マニュアルに載せる5つの項目

まず、製品マニュアルに載せる主な項目について5つご紹介します。

項目1. 本文

導入・設置、組み立て・分解、日常の運用、メンテナンス、その製品を使用した業務の手順など、マニュアルの目的に応じてメインとなる本文を執筆します。

項目2. 製品仕様・動作環境・対象ユーザー

製品のスペック、寸法、対象ユーザーや安全性、どのような環境で正常に動作するのかを記載しましょう。
適していない環境で使用していたユーザーからの問い合わせに対する説明材料にもなるからです。

項目3. 目次・索引

マニュアルを読むユーザーは、自分に必要な箇所しか読まないことがほとんどです。
そのため、索引や目次を作って、どこに何が書いてあるのか、すぐにわかるようにしておくと良いでしょう。

索引とは、マニュアルの中のキーワードを抜き出して、アルファベット順や50音順など一定の法則に従って並べたものです。
索引があると、ユーザーが必要としている情報を探しやすくなります。

項目4. Q&A(トラブルシューティング)

製品の使用中によくあるトラブルとその解決策をQ&A形式でマニュアルに載せましょう。
解決策を充実させておくことで自社への問い合わせも減り、ユーザーはすぐに問題を解決できるようになります。

また、トラブル発生時に該当ページを見つけることは難しいため、「困ったときは」などのタイトルをつけたページを用意し、よくあるQ&Aの代表例を整理しておくことで、ユーザーが疑問を解決しやすくなります。

項目5. 問い合わせ先

製品に関する問い合わせ先を記載しておくと良いでしょう。
問い合わせの内容ごとに窓口が違うのであれば、「どういうとき」に「どこ」へ連絡するべきか明確に書くべきです。

また、その情報を実際の問い合わせ先窓口にも共有し連携しておけば、ユーザーが電話をかけてから問題が解消されるまでの時間が短くなりますし、お客様満足度の向上やクレームへの発展防止にもなります。

製品マニュアルの作り方7ステップ

製品マニュアルで、載せるべき項目を5つご紹介いたしました。

本章では、実際どのような手順で作成すれば良いか、7ステップに分けてご説明します。
一つずつ順番に取り組むと、作成しやすくなりますので、ぜひ、参考にしてみてください。

ステップ1. スケジュールを定める

最初にマニュアルの作成スケジュールを決めます。
余裕を持ったスケジューリングをすることが大事ですが、そのためには「いつまでにマニュアルが必要か」のデッドラインをまず明確にし、そこから予定を逆算する方法をおすすめします。

ステップ2. 構成を練る

マニュアルの全体的な構成を作ります。操作の手順は時系列順になっていると、ユーザーは理解しやすいです。

たとえば、「テレビ番組を録画して視聴する」という行為ひとつとっても、手順と時系列を整理した構成にすると以下のようになります。

<番組視聴前>
1. 番組表を開く
2. 見たい番組を選ぶ
3. 見たい番組の録画予約メニューを選ぶ
4. 録画予約をする
5. 録画予約リストに見たい番組が載っていることを確認する

<番組視聴時>
1. 録画リストを開く
2. 録画した番組を選択する
3. 録画した番組を視聴する

<番組視聴後>
1. 録画リストを開く
2. 録画した番組を選択する
3. 録画した番組を削除する

ステップ3. 目次構成案を作成する

ステップ2で決めた構成に沿って、見出しをつけていきましょう。

見出し名は「簡潔」で「わかりやすいこと」を意識することが重要です。
長すぎると、目次を作成した際に見づらくなり、ユーザーが必要とする情報にすぐに辿り着けないからです。
また、全ての見出しを並列にするのではなく、「大見出し」「小見出し」のような入れ子構造になっていると、読みやすくなります。

これらで列挙した大見出しと小見出しが「目次」となります。

<例>

1 大見出し

 1-1 小見出し

 1-2 小見出し

ステップ4. 表紙を作る

マニュアルの表紙を作成します。製品名称、版番号、製品画像、イラスト、管理番号、会社名などを記載することで、マニュアルの取り違えを防ぐことができます。

加えて、更新情報(更新日時やバージョン名など)も明記すると、どれが最新版のマニュアルなのか、わかりやすくなります。

ステップ5. 本文を執筆する

見出しごとに本文(内容)を以下の項目を意識して、書いていくことをおすすめします。

・難しい言葉は使わない。
専門用語や略語はなるべく避け、誰でも読める文章を心がけましょう。

・一文一文が短くなるようにする。
一文が長いと、ユーザーが理解しにくいです。

・一文の中に複数のメッセージを詰め込まず「一文一義」で記載する。
見分けがつくように、悪い例良い例をご紹介します。

悪い例:
マニュアルの文章は、一文一文を40〜60文字程度を目安になるべく短くし、一文に複数の情報を詰め込まず「一文一義」で記載してください。
⇒「一文一文を40〜60文字程度で短く書く」と「一文一義で書く」の2つのメッセージが組み込まれていて、読みにくいです。

良い例:
マニュアルの文章は、一文一文を40〜60文字程度を目安になるべく短くしてください。
また、一文に複数の情報を詰め込まず「一文一義」で記載してください。
⇒「一文一文を40〜60文字程度で短く書く」と「一文一義で書く」の文を分けており、読みやすいです。

ステップ6. 写真やイラストを挿入する

説明を補足する写真やイラストはできるだけ多く挿入すると良いでしょう。

文章のみだと使い方がイメージしづらくなるため、手順が複雑な項目は必ず複数枚の画像を入れることをおすすめします。

ステップ7. 目次と索引を作成する

最後に、目次と索引を作りましょう。

目次は、マニュアルの中の見出しを抜き出して、ページ番号と照らし合わせながら作成していきます。
索引は、本文からキーワードを拾って、ページ番号をまとめます。

製品マニュアルを作成する際の4つのポイント

誰が見てもわかりやすく、より質の良いマニュアルにするために、どの部分に意識して、どのように工夫しながら手を加えれば良いか、気になりますよね。

こちらでは作成する際のポイントを4つに分けてご案内します。

ポイント1. 読み手をイメージする

マニュアルを作成する際は、下記項目を意識して、常に読み手をイメージすることが重要です。

  • どういう人がこのマニュアルを読むのか?
  • なぜこのマニュアルを読む必要があるのか?
  • マニュアルを読むのに必要な前提知識はどれくらいか?

基本的には、最も知識や経験の少ない読み手でもそのマニュアルがあれば必要なことができる、というくらいにわかりやすいマニュアルを目指すのがよいでしょう。

ポイント2. 絶えず更新する

製品マニュアルは、一度作ったら終わりではありません。
ユーザーからの問い合わせによりマニュアルに不足や要更新事項が見つかった際は、その都度マニュアルも更新し反映していきましょう。

更新を重ねることでよりわかりやすいマニュアルになりますし、結果的にユーザーからの問い合わせも減らせます。

ポイント3. PL法(製造物責任法)に準拠する

PL法(製造物責任法)とは、製品を使ったことで、使用者の身体や財産に損害が出た際の製造者の損害賠償責任について定めた法律です。

マニュアルに使用上の注意事項を明記していないと、多額の賠償が必要になる恐れがあります。

自社内の法務部門と連携しながら、記載すべき事項をじっくり検討することが大切です。

ポイント4. 完成後は第三者に確認してもらう

製品を知らない人が見て理解しづらい点や、よくわからないと感じた点は書き直しが必要です。

もし、製品マニュアルに理解しづらい点や間違いがあれば、最悪の場合は事故が発生したり、訴訟を起こされたりする恐れがあります。
そうならないために、マニュアル完成後は製品について詳しくない第三者に、内容を確認してもらいましょう。
第三者の視点で見ると、説明の漏れや間違いに気が付きやすくなります。

ユーザー目線で考えたわかりやすい製品マニュアルを作ろう

いかがでしょうか。

本記事では製品マニュアルにおける、載せるべき項目やおすすめの作り方、ポイントについてご紹介しました。

製品マニュアルは、見やすさとわかりやすさが重要です。
知識や経験の浅い人から豊富な人まで、幅広いユーザーに対して理解しやすい、構成、文章、レイアウトをしなくてはなりません。

また、製品を取り扱うため、PL法(製造物責任法)に準拠した事項を、自社内の法務部門と連携しながら、しっかり検討することも大切です。
そうすることで、企業側は安全な製品を提供でき、ユーザー側は正しく製品を取り扱うことができるのです。

マニュアル作りに取り組む際は、本記事で紹介した内容を取り入れ、ユーザー目線で考えた、わかりやすい製品マニュアルを作りましょう。

マニュアルのソリューションにご興味がある方はこちらをご覧ください。

この記事を書いた人

編集部

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